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褒められて上手くなる絵画教室

京都の日本画家・宮毬紗(絵画教室講師歴24年、一晴画廊オーナー)のネットで学べる絵画教室

先生、写真を見ながら絵を描いていいですか?問題。

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こんにちは。

宮毬紗です。

 

上の絵は、写真を使用しています。

プリンターにある細工をして、キャンパス地にピンボケ加工をした上から、アクリル絵具で絵を描いたものです。

 

写真を撮るのも、写真に描くのも好きです。

 

スマホで写真がきれいに撮影できるようになり、絵画教室でこの質問が増えました。

 

「先生、写真を使って絵を描いていいですか?」

 

はい、構いません。

 

写真を見ながら描いてもいいですし、プリントして、それを下絵としてトレースしてもいいですよ。

 

ただし。

 

数年前の私の回答は違います。

 

数年前までは、

 

「絵の下絵に写真の使用は禁止です」

 

の一点張りでした。

 

 

理由はこれです。

 

「写真のレンズの焦点と、人間が写生をするときの目の焦点は違うから」

 

写真を使って描いた絵は、ほぼ一瞥すれば分かります。

「ああ、写真使ったんだな」と。

 

中心のモチーフと背景との比率が、肉眼で見ているものと違います。

陰影の描き方でも分かります。

 

写真を見ながら描いた陰影は、人間の目で普通に見えるはずの、影の濃淡が省略されていることが多いです。

陰影に用いた黒の表現の仕方で、写真を見ながら描いたことが分かります。

 

あとは、スケッチ・写生した場所や空気の臨場感が伝わってこないことでも分かります。

現場でスケッチ・写生すると、その時の「時間」や「空気」や「温度」なども絵に込められています。

 

臨場感って、かなり大事なんです。

 

ちなみに。

 

まだ本当に初心者なのに「むむ!」と唸ってしまうような、すごくいいスケッチ・写生が生まれるときは、絵に臨場感があります。

 

傑作が生まれます。

 

 

 

それは「場の力」もあると思います。

 

スケッチをすると、「ここ」と決めた場所に座り続けますね。

すると、その場の感動が、線や色に、自然に写し取られていきます。

  

でも写真を撮るときは、どうですか?

その場にどの程度、留まっていますか?

 

 

よく見る光景はこれです。

 

「うわーここ、きれい!」

 

写真パシャ。

 

(画面を確認)

 

立ち去る。

 

次の場を撮影。

 

でもって後日。

 

生徒「先生、この風景に感動しました!ここの絵を描きたいんです」

 

「・・・いやいや、すぐそこ立ち去ったやん?」

 

 

このパターン、ないですか?

 

私自身は、よくありますね。

撮影した写真を整理しているとき、写真に感動して「うわーここ描きたい!」と思うことが(笑)。

 

 

写真を使うことは、プロでも賛否両論あります。

ちなみにプロには、あなたが写真を使って描いたのかは分かっています。

 

私は写真使用に賛成派です。

反対する理由がありません。

写真を下絵に使用するから、絵が下手になったり、質が悪くなるということはないと考えています。

 

ただし。

 

写真を撮影したことで、その場所やモチーフを把握したような安心感を得てしてしまうのは問題です。

 

そこを、どう考えていくかですね。

まだ課題があるとは思っています。

 

それでも写真使用に賛成する理由は、絵画制作というものに、限りない可能性を感じているからです。

 

絵画は、あるひとつの過程で、すべての出来具合が決まるものではありません。

下絵に写真を使用することだけで、その絵がどんな絵になるのかが決定してしまうほど、単純な過程を辿るものではないのです。

 

もっと豊かなものです。

 

写真を使いたいなら、気持ち良く使ってください。

私が気持ち良く許可します(笑)。

 

 

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